日本膝関節学会
理事長就任のご挨拶
日本膝関節学会(The Japanese Knee Society; JKS)の理事長を拝命致しました神戸大学の黒田良祐でございます。JOSKASから生まれた本学会の初代理事長を務めることになり、身の引き締まる思いです。
1974年12月に日本膝関節研究会が産まれ、翌年には日本関節鏡学会が立ち上がりました。また1980年には東京膝関節研究会が設立されました。そして2000年に日本膝関節研究会と東京膝関節研究会・学会が統合し日本膝関節学会が設立されました。2009年に日本膝関節学会と日本関節鏡学会が発展的に統合され誕生したのが日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)です.JOSKASは膝関節,関節鏡,スポーツ整形外科を牽引してきたいくつかの学会や研究会の流れを持つ,歴史を有する学会と言えます.ところが、ここで膝関節を深く議論する場が少なくなったのも事実であります。JOSKASの14年間の歴史の中で、徐々に膝関節のみを純粋に熱く議論する場を求める声が高まってまいりました。そして、2023年6月、再び日本膝関節学会が設立されました。本学会は膝関節に関わる調査研究及び発表並びに膝関節に関する他団体との連絡・連携をはかり、膝関節に関する学問の進歩普及に貢献し、もって人類の健康と福祉の増進に寄与することを目的とするものであります.
私は就任にあたり、まず以下のことを進めてまいります.1つ目は教育です。本学会が若手整形外科医にとって魅力ある教育の場になることを目指します。技術認定制度などスキル向上のためのシステムをよりしっかり作っていきます。2つ目は国際化の推進です。高木憲次先生,渡辺正毅先生を中心として日本で開発された関節鏡は世界の膝関節外科を大きく発展させました.この伝統をしっかり継承して、国際化をさらに推進します.海外の学会と積極的に交流し、若手医師が国際的に活躍できる場を提供してまいります。そして3つ目は世界に向けてエビデンスを発信することです。英文のofficial journalとしましてJournal of Joint Surgery and Research(JJSR)(https://www.sciencedirect.com/journal/journal-of-joint-surgery-and-research)を発刊いたします。臨床研究・基礎研究に関する質の高い研究論文を発表する英文のオープンアクセスジャーナルとなっておりますので、会員の皆様には是非多くの投稿をいただき、世界へ素晴らしい研究を発信していただきますようよろしくお願いいたします。
学会発展のために様々な方策を打ち出していきたいと考えています。会員の先生方ならびに関係各位のご協力、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます.
一般社団法人日本膝関節学会
理事長 黒田良祐